ありゃー、最近妙に上り調子じゃ御座いませんか、パワパフZ(#43)。
佐々門作画+ブロッサム話という(過去の流れ的に)死亡フラグ立ちまくりの条件なのに、面白い、と言うと微妙に語弊がある気もするんだけど(笑)、なかなかどうして楽しめた。
いつもならスッカスカの脚本にスッカスカのコンテで早送り推奨の構成の筈が、それどころか普段の五割増しの演出増量で、それに押されるように変身シーンまで完全カット。一体もう何が起きたのかと(笑)。
特に今回はブロッサムが元気で、ピンチの際にもボケ&突っ込み、必殺技の前のさりげない一言ボケ、勝利イベント進行中の後ろで一人お菓子をうんこ座りでがっつき、最後に一皿平らげて頬を膨らませてから出発、と嗚呼これがZブロッサムなんだなと思わせる細かい演出が随所に活かされていた様に思う。今回漸く、「ハイパー(馬鹿)ブロッサム」、から「ハイパー(おバカ)ブロッサム」にクラスチェンジ出来たのではなかろうか。リーダーらしく積極的に頭を使う行動癖は本家譲りで、そこに知性を感じさせない滑稽な思考パターンはZならでは、と。まぁこの立ち位置が2クールまでに確立出来ていれば、とは思っちゃうけどね。終盤に来て漸くエンジンが掛かってきてもなぁ。せめてこのままで行ってくれ、と願うべきか。
まぁ勿論、しょうもないシーンとか今一歩の部分も多々あったけどね。Bパート終盤の「フッ、決まった」の辺りは緩急が弱くてしっくり来なかったのは残念、等。ただ全般的に見て次から次へとネタを盛り込んでいく感があった分、ハズレの部分はさっさと流れてアタリばかりが印象に残るという、良い意味での「数撃ちゃ当たる」になっていたのかな。思えばcartoonも似たような物で、本当にしょうもなかったりどうしようもなかったり(同じか)、オチが完全に投げっぱなしだったりと酷い所も沢山あるんだけど、とにかくネタが天こ盛りなのでそれを追っていくだけで楽しいという一面があるからね(後はそのネタの引っ張り方の妙とか)。
無論、それらcartoon程ではないけれど、それでもいつもよりは濃かった訳で。絵はイマイチでも数はこなせる佐々門作画、というのが良い意味で働いていたのかなと。
それと今回珍しく投げっぱなしの不条理展開のまま終わったんだけど、単に本家に寄ったというより、80年代的という方が言い得ているのかも。自分は昨今多い「リアルという名の半端な整合性に捕らわれててツマラン」流れに不満を感じてcartoonばっかりになってたんだけど、某氏宅で読んだ「うる星やつら」(前半)の不条理っぷりに、かつてのタツノコヒーロー等で育った幼少期を思い出させられたし。そういう意味では古くからやってる佐々門を当てたのは結構意図的な物だったのかもね。お陰で一部バタ臭いまでの古さになってますが。口の中にハートマークは強烈(笑)。
設定画に似てない絵に後先考えてない展開に、と多分嫌う人間は嫌ってそうだけど、自分はこういうのも忘れないで貰いたいと思う。