某氏から借りたまま積んでいた(ぉ)「DS版ゼルダ(夢幻の砂時計) 」を漸くクリア。しかもガーッとプレイしてラスボス前で止めたまま二週間放置してたから、結構思い出すのが大変だった(笑)。ま、こんなんでやってられる本作もどうなのよ、って思いますが。
しかしプレイを始めた際の周囲の反応の冷たい事(苦笑)。
某氏は開口一番「えっ?」だし(何でそんなものを、の意)、貸してくれた当人なんて、
> むなしいよね
> やってもやっても何もでてこないのがわかっていることをやるのは
(原文ママ)
と来たもんだ。むしろそれを貸す前に忠告しろと(笑)。当人よく覚えてなかったとは言うけど、まぁ確かに印象の残らない出来。> やってもやっても何もでてこないのがわかっていることをやるのは
(原文ママ)
ただ元々良い予感がしていた訳でもない本作をプレイしたのは、タクト系ちびリンクをもう一度操りたかったのと、もう一点、ネット上で気になる話を見掛けたから。
(当人と喧嘩するのが目的ではないから敢えてリンクは張りませんが、)自称ゲーム開発者だというそのサイトで目に付いたのは、タッチペンによるワンタッチの攻撃を「ゲーム性の削ぎ落とし」と称していた点。一瞬で斬りかかるそれは従来の間合いの概念も何も無いという話で、(私的には以前のmp3プレーヤ周りの階層概念の撤廃などもあって必要以上に煽られてしまったけど)、言ってしまえばこれは酷く大袈裟な言い掛かり。実際にやっている事はタッチペンでターゲットした相手に歩くなり飛び掛かるなりして自動で寄って斬る所までやるというだけの、I/Fの変化でしかない。強いて言うなれば、そもそも画面が狭すぎて相対距離が乏しく間合いが無いも同然だというだけ。それでいてワンタッチで画面中の敵を容易に攻撃出来てしまう作りは、ラスボスですら「連打してりゃ勝てる」事からしても確かに嘆きたくなるのも分かるけれど、それは既存のヌルいゲームと構造上何ら変わりはない。ゲームシステムの退化とは別の話だろうに。
結局の所、「市場がゲーム性を求めてない」という言い訳めいた話のダシに使われたという印象でしかなかった。正直、作り手にこういう事を言われるのは非常に萎える。というか、自分、釣られましたか?と(苦笑)。
まぁ気を取り直して、自分の感想。
何というか、「まるで教科書のようなゲーム」。
DSにポインティングデバイス専用ゲームを求めた自分としては、此処に来て漸く真っ当な作りが見られたという、至極間違いの無いI/F設計。ココは評価出来る。ただ、「全然面白くない」。これが最大にして最強の欠点。ま、最近よくある凡庸な作りって事なんですが。出来が良い以上の物が全く無い。
フルタッチペン操作の割り切りは、一度通過しておくべきものだったということで、それを別段非難するつもりはない。これがキー操作併用だったらそれに逃げてしまって見えない部分もあったろうからね。
問題は、こうやって新しいI/Fに則った操作を用意しつつ、どれもあくまでゼルダシリーズというフォーマットの上でしか作用させられなかった点。ブーメランもフックもハンマーも個々のネタとしては好きなんだけど、どう足掻いてもゼルダの謎解きの範疇に収まった存在なので、本質的な面白さが構築出来ていない。まず基本剣技がそのまま残ってる時点でもう駄目ね。いっそ剣をなくしちゃいましたという話で(いや実際初めはそうなんだけど、そのままで)、ブーメランゲームにするくらい割り切っちまえよ、と思ったくらい。まぁそれは例という事で、要するに、予めタッチペン操作を前提としたゲームデザインに切り替えるべきだった。
この点、ブランドを軸に製品を組み上げる筈が、実際はシリーズである事が完全に足枷にしかなっていなかった、というのがあまりにも悲しい。というかゼルダの謎解きってもう広がる所が無いし。個人的にもああいう埋めていくだけのパズルって全然面白くないんだよね。それこそ、ここでまた「リンクの冒険」のような革命もあって然るべきだったのではないかと。
ぶっちゃけた話、ブランド名に釣られてナンボの割に、ちょっとでも物が違うとギャーギャー喚くだけのユーザーなんか無視しちまえよ?とか思うんだけどねぇ。いやホント。我の張り方が間違ってると思うよ。
この点、今回一番不服だったのは、今や市場への支配力が絶対的な任天堂がこうも形骸化した代物を作るという事実。ミリオンをかっさらう者としての責任は果たして欲しい。(これは行かなかった?みたいだけどね。それは結果の話)
あと、最後にどうでも良い話。
今作のテトラはこれまた酷い空気っぷりでしたね。個人的にはこの娘には期待してたんだけどなぁ。タクトの頃から存在感は微妙だったけど、今回なんてもうただの材料。OPで攫われてEDまで戻らないもんだから、ロードの度に必死で存在をアピールする始末(笑)。泣けるわコレ。
囚われの姫でもなく、シリアスでもない、行動派で無茶してくれそうなヒロインは既存パターンに無いので遊び甲斐あるだろうに。勿体無い。