嗚呼、いい加減書かないとまた枯れてしまう。
という訳でこれまたCartoonの新作「アバター(AVATAR)」のお話。
いや、アバタールじゃありませんよ。ロードブリティッシュは出てきませんよ?(ぉ)
話には聞いた事あったんだけど、主人公のデザインが変な小坊主だし、ニコロデオンだし(?)、であまり気には留めていなかった。というかいつのまにか始まってたくらいで、そしたら何だか「戦車がいい」というのを目にして早速見てみた(笑)。
そしたらまぁ、「あれ、これ日本作画?な訳はなくて韓国アニメだったっけ?にしちゃ英語だし、、」と戸惑うくらい、思いっきり日本アニメ風の絵柄が連続してました。いやもうホントびっくり。此処まで露骨に日本アニメの吸収に乗り出したか、という、、。(米国主体で下請け韓国という話)
流行のアニメ手法をもじった例としてはTeenTitansがそうだけど、あれはただ演出レベルで断片的に借用しただけ。しかしこっちは本格的に絵柄のレベルで寄せてきている。これも実験の一環なのだろうね。アニメが受けてんならその絵でやってやるよ、という(笑)。(ただ公式の紹介絵はなんか違う気が。。)
しかしここで何より凄いというか彼等の貪欲さに驚かされるのは、ただ模倣するのではなくて、あくまで日本風の絵柄をあちらの作風に乗せてきているという所。だからパースの利いた誇張たっぷりの動きをしつつも、アクション(動作)作りは従来のCartoonそのもの。いやこの融合というか取り込みっぷりは素直に感心する。
たまに言っているけど、自分がCartoonで好きなのはアクションが個々のシーンできちんと動作として成立している所。つまるところは「演技している」という事。あくまで演出の範疇でモーションを誇張してアニメ風に描いているのであって、その基本は捨ててはいない。
まぁ根本のデザインそのものはアジア文化のごたまぜで、呼吸や気の流れなどの東洋武術的な物をベースに置いた体術アクションが多く、時には太極拳のような演武的な動作が混じる事もよくある。この辺ぶっちゃけ日本アニメ的視点で見てしまえば「格好付けてるようで格好良く見えない」絵面と取れなくもないんだけど、そこはあくまで方向性というものだろうし、それに向こうに取っちゃ異質な東洋文化というだけでCOOLに見えるのかもしれないしね。
それに例えば実際、土の部族(土を操る術を使う※)が土の代わりに石炭で戦う場面で、個々では小粒の塊にすぎない石炭を数人がかりで押し固め巨岩の弾を作り鉄壁を粉砕するという描写。これなんて、絵面としては名もないオッサンのペアが向かい合って踏ん張ってるだけという(笑)何だか微妙に地味で格好付かないシーンだったけど、大砲作りというその効果としては物凄くカッチョ良くて溜まりませんでしたよ。こういう、「動作として意味のある動画」であればこそ、逐一内容を漏らさずに堪能しようという気持ちにもなって凄く好きなんだよなぁ。
(※水土火気の四元素を操るというまぁベタなRPG的世界なのです)
でもって何より楽しいのが、このスタンスが何も特別ではなく当然の物として全編通して隙無く盛り込まれているところ。先に書いた「演技」というのも、最初に「おお」と思わされたのは、エスキモー娘がちょっとした手品的に手袋の間から魚を出す場面で、巻き戻ってよくよく見ると確かにさり気なく(あくまでさり気なく)懐に手を伸ばす仕草が入っているという。どうでもいいこのシーンで持って行かれた感はある。演出云々以前にとにかく「動くからanimationなんですよ」というスタンス。いいよね。
まぁ勿論、冷めた話になると資本問題が持ち上がっては来るのでしょうガ。でも逆に言えば、かなり力入っているよね、これ。ニコロデオンって自分的にはジェニーさん(XJ9)くらいのもので、あれの冷遇を見ていたので正直この出来には驚いた。
内容的にはこちらは全年齢向けのかなりグローバルなタイプ。故に「何の変哲もない」という評もあるだろうとは十分思っているけれど、東洋な所為か教訓も交えつつ成長過程の主人公を真っ直ぐに描いているという感じは、むしろ自分は非常に安心できるなと。(<なんか最近疲れてるやね(笑))
そんなこんなでキャラとか話の流れも書きたかったけど、動画の事で書きすぎたので今回はいいや(笑)。
っていうか20話で1章「水の巻」終了と、単純に言えばトータル80話の長編アニメって事になるんだよなぁ。どうすんのかな、っていうか保つの? いや保つんだろうね。