さて、「バーチャロン オラトリオタングラム」。
操作系のお話。
元々ツインスティックというのは2本の八方向入力の組み合わせで移動と旋回を同時コントロールするもの。パッドでも左が移動で右が旋回だから同じような事が出来ないかと期待したのだけれども、残念ながら同時に入れると旋回入力が優先されるというだけ。その場で立ち止まってしまう上に結構な速度でぐいっと曲がるのはまぁ元からなんですが上記に求めるものとは違う。
ツインスティックでは例えば左上と左下を組み合わせると左移動兼右旋回という、いわゆるサテライトの挙動が取れる。ここで左下の入力加減の調整やダッシュにより移動速度・旋回性を共に制御できるので、当時はこれで無駄にブラッドスの四角ビームの隙間を走り抜けたりするくらいの遊びの余裕はあったものなんですが。この独特の操作性がツインスティックの持ち味(の一つ)だよな、と。
まぁこれはツインスティックという操作系のポテンシャルの側面の話であって、ぶっちゃけチャロンシリーズでは対ボス戦でしか役に立たない操作だけどね。対VR戦時にはこんなものは要求されない。(いや機体によっては常套テクニックかな? 趣味色強いと思ってましたが)
だから普通は横移動とジャンプキャンセル(敵機自動捕捉)による向き補正で十分。しかしこの「バッタ運動」としか形容できない独特の仕様が個人的には実は大嫌いなもので。勿論対戦時には絶対的必須要件ではあるけど、このボス戦では極力使わなくとも済んだ上に、その代わりの操作が大の好みだというのだから。やはり落差は大きいよね。
この点、もう対戦から身を引いてからDC版でたまの一人遊びをしていた時期の方が近いので、良いように「ツインスティック操作ゲー」としての記憶が優先してしまっているのだと思う。
実のところチャロンは昔から「素材としては大好きだが対戦ゲーとしては大っ嫌い」と言うにはばからなかったもんなぁ。
まぁ下手にこんな事を書いても「負け犬の遠吠え」なんですけど。しかし実際に「オラタンは速すぎて嫌い」という声はちらほら見掛けるし、それはただの要求スピードの問題だけではなく、そこに内在するゲーム性の問題点というものにも目を向けて欲しいかなとは思う訳です。Forceは速度だけは遅くなったけどあれは違うよね、と。
またもう一点、どちらかと言えばこちらの方が「チャロンらしい」操作の話にはなるんですが。なら先に書けよと。ははは。
パッドの標準操作では、左が移動、右が旋回と、昨今よくある3D系操作の基準ともいえる。けれどもこの操作系では「しゃがみ」「ジャンプ」の上下が表現できず、ボタンに割り振っている。これをツインスティックでは左右二本の内閉じをしゃがみ(下降)、外開きをジャンプ(上昇)に当てる事で移動操作系に一本化している、ココが非常に大きい。
何よりこのチャロンでは状態毎に機体の攻撃方法がガラリと変わるので、ジャンプやしゃがみ攻撃の使い分けが非常に重要。この状態操作を全てスティック側に任せるか、ボタンとの併用が入るかの違い。特にオラタンではターボショットが加わったので、攻撃ボタンに組み合わせるものとしてターボ類としゃがみ(・ジャンプ、これは同時入力ではないので除外でもいいか)という複数のボタンの押し分けが必要になってしまう。更にターボ自体にしゃがみ(・ジャンプ)との組み合わせが存在するので組み合わせは複雑。この点、ツインスティックではしゃがみ(・ジャンプ)を腕全体(スティック)で制御しつつ、ショットとターボの組み合わせのみを指(ボタン)で扱う、その配分が手頃だったという訳。この操作感覚の差が実に如何ともし難いのです。
勿論、どうしても指だけでは押し分けられないというほど複雑ではないけれど、この「体系の切り分け」こそが「直感的操作」と言わせる最大の要因だろうと思う。ただのなりきりロボットオモチャI/Fってものでもないのですよ。Wiiが流行った昨今、入力デバイスにも再度目が向けられるようになると良いんだけども。
さて、これをどうやってパッドで補ったものかなぁ。
因みに左右のアナログキーをツインスティックに見立てて操作するモードも勿論あるのだけど、残念ながらレイアウトの都合で上下にずれていて非常にやりづらい。またLRボタンとLRトリガを同時に併用しようと思うと、少々かなり持ち辛い。この点「MARZ」ではPS2パッドのアナログキーが下で並列なのでまだマシだったけど、あれはあれで最後まで使ったかどうか。如何せんマズーな記憶と共に闇に葬り去ったので最早確認不能。
やっぱりボタン操作の方を使うしかないとは思うけど、幸いにしてキーコンフィグ可能なので少し弄って足掻いてみよう。
勿論、公式でツインスティックが販売されるのがベストですがね。DC版接続アダプタでもいいし、新規でもいいし。出たら買う以外の選択肢は存在しません。動きはあるらしいけど、実現してくれないかな。