早くVoyager見たい(禁句)

 さてはて、もう始まってから大分経ってしまった、スタートレックENTERPRISE
 まぁ噂に違わぬというか、第一話の内容があまりにもあんまりでひとしきりブチ切れ金剛と洒落こんではみたけど、その後はまぁ人間様特有の慣れもあってか「こんなもんか」で見続けている感じ。強いて言うなれば、これまた噂通り「艦長が駄目駄目」なものだから、裏を返せば艦長が脇の回はまだ見られるのかもしれない(笑)。何という。

 そもそもこのシリーズ、今まで23世紀や24世紀の遠い遠い未来を描いてきたそれらに対し、22世紀の宇宙進出時代にまで時を遡った「前史」の類。誰しも一度は考えるであろう 「やってみたかった」系の思いつきに果たしてどれだけの勝算があったのか。近未来にまで引き戻された技術水準は近年流行している「リアル」な映像作りには打って付けである一方、「SF(未来)なのにリアル(現代的)」というある種の矛盾、旧シリーズが潔く切り捨ててきた(ぶっちゃけおざなりといった方が早い)部分に労力を注ぎ込んでしまっていないかという疑念も決して無くはない。っつか潜水艦然としてるだか何だか知らないけど、艦(特にシャトルポッド)の中が暗くて見辛いのはやめてくれというか(苦笑)。エンターテインメントに必ずしもリアリティは必要ないだろうに、という批判を真っ向から受け止めるだけの出来映えになっている訳でもない、何とも頼りない出来映えと思えてしまうのが実際。
 その辺、諸々後退した技術水準、そして惑星連邦成立前の種族間交流の乏しい世界図と、傍目には「足枷とファンサービスの袋小路」という言葉が先に出てきてしまう条件下で、案の定の「ネタ切れ」がシーズン1から既に見え隠れしている現実が実に悲しいとしか言い様がない。

 などと、これだけ書いておけば十分かな(ぉ)。
 やっぱり、「やって欲しくない」部分に足を踏み入れちゃったんじゃないかなぁとは思う訳ですよ。そもそもTNGのピカードが打ち立てた「進歩主義の未来像」に対して、それに至る旧時代の「未熟な未開人」をテーマにしてみたところで先は知れている訳で、更にそれが当時の米国のブッシュ政権の在り方そのものだという、冗談にしても笑えないこの状況は胸くそ悪さ以外の何も生まないからね。
 まぁ偏にブッシュ=アーチャー艦長のダメ独善に集約される問題なので、その辺誤魔化しつつ何処まで見られるかな、という所でしょうか。
 ぶっちゃけシナリオ的には、良いとは思ってないけどまぁ「当たりがない時のTNG」くらいの構えで流している感じ。ま、trekの冠が付いていなければ見てないよねと言われたら否定しませんが、、、。ははは。

 とは言いつつも、#28 “Carbon Creek”、これは初めてにして唯一楽しめた回かもしれない。
 評判を見てみたらまさかの90点台。後半ざらっと見たら20点とかあるんですよこのシリーズ(苦笑)。
 まぁ基本的にトレックで野外ロケの入る回は気合いが入る傾向にあるんですが。「実は人類はもっと早くバルカン人とコンタクトしていた」という、過去の逸話エピソード。つまりレギュラー陣は脇。条件的にも完璧(ぉ)。
 いや冗談はさておき、個人的にもバルカン人というのはまだまだ馴染みの浅い種族なので(TOS見てない&VGRも終盤しか見てない)、彼等の話自体、新鮮味を持って迎えられると言えばそう。統計的には「地球人を全く信用していない堅物な種族」として描かれはするものの、勿論それが総意ではなく個々人では十分理解を示す者も居るのだというお話は、「耳の尖った嫌味な先進種族」から一歩前進する意味でも良い話だったと思う。
 まー、ここのところ、「タッカー少佐の云々」と茶々入れに事欠かないトゥポルのツン(?)っぷりが微妙に笑えるようにはなっている訳ですが(笑)。アーチャーは既に残念な結果だけど他に期待してみる。というかシスコもそうなんだけど、艦長は艦長で後ろで頑と構えて座ってりゃそれでいいんだよという人も居るのです、そういうことで(笑)。

 そしてもう一つ、実はマジックテープはバルカン人のもたらした最先端技術だったという素敵なお話。
 しかし巷じゃこんな感じで話題になりまくってる昨今。偉大な文化交流に何と言う仕打ち。
 こうしてまた相互理解の機会は失われてしまったのでありましたと(ぉ)。