そろそろ忘れる前に書かないと。
(XBLA)「Shadow Complex」、年末に期間限定セールしてたので買ってみた。実売960円。
いやぁ、これは良いね。当時の感想が「外人は良い仕事するね」(笑)。良い意味で古き良きを継承していると思う。
デモ動画には派手なシーンばかり並んでいるけど、実際は古典的2D探索アクション。処理的には3Dポリゴンセットを2D操作に落とし込むという時流の見える作品なので、期待半分・不安も非常に大きかったけれど、ところがどっこい実に押さえ所の上手い良作でしたよ。セーブポイントの間隔や、装備品入手による強化度合い、いわゆるゲーム展開が実に堅実。
セーブポイント≒回復ポイントのようなもので必ず数ブロックおきにしかないので、一度激しい銃撃戦を凌げばそれで良いという訳でもなく、その区間内は通しで生き延びるプレイを求められる。やり直しプレイの感覚が重要。
又、装備品が増える毎にどんどんアクションが解放されて行動範囲が広がっていくARPG形式なのだけれど、この段階設定が非常に心地良い。近年ありがちな傾向として、ただ強くなって後から戻ってきてねというコンプリート作業ではなく(勿論そういう穴埋め要素もあるけれど)、基地内を縦横無尽に探索していく中でルート選択肢が増えていく構造なので、その強化ぶりがゲーム展開上できちんと味わえるようになっている。「おお、ここが通れるのか」「こんな所に繋がるのか」という感覚は探索好きには堪らない。
そしてその強化具合についても、ただの壁摺りジャンプから果ては3段ジャンプ+フック移動にまで広がるものの、その強化は長いことお預けになっているので「まずはシンプルに押さえろ」と、逆にその強化が「今までよく頑張りました」というご褒美に思えるような段取り。同様にして武器やHP・防御力についても、最後は「ショットガンで一撃必殺」「歩いている限りは無敵」「HPも急増してびくともしない」という酷いインフレっぷりなんだけど、その殆どは後半に偏っていて、中盤までは「グレネード一本で地道にハイド&シーク」というゲーム性が保たれていればこそ、それらは最後のご褒美として成り立つというもの。
当初はHPパックが終盤に寄りすぎでバランスが悪いかとも思ったくらいだけど、あれが均等にばらまかれていたらただのゴリ押しゲーになっていたかもしれない。この辺、果たしてただの偶然でここまで出来たのかどうかと。
ただまぁそれもこれも、一周目を難易度Hardcoreでプレイしたから、というのが非常に大きいかもしれない。デモ版の段階でNormalでプレイしたら「もりもり喰らってもりもり回復する」近年ありがちな駄目パターンに思えたので、もしやと思って上げてみたら実に正解。迂闊に敵の射線に乗るとゴリゴリ削られて、回復材で元を取るプレイもまるで許されない。そこには如何にして被弾の少ない状況を捻り出すかというエリア毎の攻略パターンが存在する。まぁちょっとしたミスでも雑魚に削られるので滅入る時もありますがね(笑)。あとたまに画面外から撃ってくるインチキケースには腹が立ったりもしますが、パターン構築の一環で何とか済ませられた感じ、辛うじて。
多分これがNormalプレイだったらここまで好印象にはならなかったかもね。
ここは近年薄々感じていたことではあるのだけれど、幾ら失敗しても何の反省もなくダラダラと一直線に進められるゲーム構造が一般的になりすぎていて、たかだかNormal程度ではもう楽しめない時代なのではないかと。昔は「まずクリアするまでがNormal」「極めてからがHard」という物だったと思うのだけどね。
因みにこの勢いで、二周目はアイテム13%実績を狙いつつ難易度Insaneでプレイするという自殺行為だったんだけど(パワーアップもせずに無茶すぎた。実績にすらない)、これでもほぼ最後まで頑張る事が出来た。やはりパターン構築がきちんと存在するゲームだったなと。勿論、ゴールドバー全回収による「序盤から最強武器」のボーナスあってこそだけど、敵を一発で仕留めることを前提にしたパターン構築としてそれはそれで楽しめた。最後の最後の脱出シーンで爆風で即死してしまう(HPが少ないので)所だけは諦めたけど、後は一生懸命各個撃破したり思い切って逃げ去ったり、時に嫌になったりもしたけど喉元過ぎれば案外楽しかった(笑)。
いやぁ自分が最高難度でやるって余程のことですよ。流石にInsaneで3時間クリアはヘタクソなんでやりませんけど(死亡リトライ含めて3時間なんだもの)、これが通常の実績とは別のマスターチャレンジに収まっている点も、実に線引き具合が分かってるよなぁと思ったりもしてしまう所。
総じて程良い案配に感心した。難しいゲームを作るのは簡単なんですよ、と言いたいこの時代に、こういうのは良いなぁホント。
そんなこんなで、これはほぼ満点に近いユーザ評価なのも頷けるね。こういうのをXBLAには期待していた訳で。まぁグラフィックデザインはメタルギアや攻殻に影響されまくりだし、物語背景は典型的な帝国主義アメリカで反吐が出ると言っていい代物だけど、そんな印象にめげずに「期間限定」に後押しされて正解だったと思う(笑)。(結構バカに出来ないんだよね、この限定安売りシステム。後回し=積みを許さないし。)
こういうのがジャンジャカ出てくれると嬉しいんだけどね。まぁ今はもう少し目ざとくチェックしていくしかないなと思わされました、はい。