始まりにして終わり
スタートレックTOS(初代)、遅ればせながらようやっと視聴完了しましたよ。
当初は悪い予感もしていたけれどすっかり慣れてしまったのか、思っていたより余程安心して楽しめたと思う。
まぁ勿論、たまに「えー」と思うような微妙な演出や脚本展開もあった点は否定はしませんが、一時の脚本家の気の迷いは後年のシリーズでも珍しいことではないのであって(笑)、プラス当時のTV番組製作の環境を思えばこんなものかなと。肌も露わな女性(だけでなく野郎も)の衣装なんて、戦隊物の女幹部のようなものなのさと。
むしろ(真面目な方の)脚本は、ベトナム戦争をベースとした救いようの無い結末など、1960年代当時の世界情勢を背景にした作品作りがところどころに見て取れて、それはそれで非常に興味深くもあった。思えば「文明非干渉」の連邦の誓いも、そういった当時の教訓がベースになってこその話なのではないかと考えてしまうくらい。
こういった意味では、かのENTERPRISEもジョージ・ブッシュ政権下の混迷した米国を象徴した作品ということになるのだろうね。ただ出来は悪いけどな!(ぉ)(というか冷戦という世界共通の問題と、一政治家の暴走とでは下地となるものが違いすぎる訳であって。)
ともあれ、良い意味での「時代」を見せて貰ったかなと。
キャラ面でも、後年と違い話の主役は常に船長とスポック(とドクター)だったので、一定して描かれるバルカン人=第一の非地球人の個性が視聴者にも定着しやすく、成る程これを見ればバルカンサインを真似たくなる気持ちも分かるなというか(笑)。
ドクターも最後までバルカン人の無感情ぶりに執拗に皮肉を垂れる嫌味ジジイだったけれど、あれもあれで「感情で生きる人間の代表」として「バルカン人にも感情を理解して欲しい」という思いの表れというか、延いてはバルカン人を「(感情を克服したとは名ばかりで)激情を内に押さえ込んだ悲劇の種族」だと捉えてこその反語的な接触方法なんじゃないか、などと思ってみるとそれはそれで気持ちも分からないでもないというか(笑)(そもそも過度に食い付く場合は大抵スポックがおかしくなる時のトリガー役)。何かね、多分親近感湧いちゃってんだと思う。あのお爺ちゃん(笑)。
カーク船長も、後半のだらしなく鼻の下伸ばすところはさておいて、彼なりにちゃんと船長してたよね。てっきり元祖アーチャーなのかと思い込んでいたから、、、(笑)。
そんなこんなで、
いやぁ終わった終わった。今度こそ本当に長い長い航海が終わりましたよ。
まぁ映画版はとか細かい事は気にしない。TVドラマ版がと言っておけばいいかな。とにかく総計700話近くにも及ぶ(ほぼ)一話完結ドラマの山々に触れた、という事実こそが重要で。元々自分は長編とかシリーズ物とかには否定的なのだけれど、それが飽きもせずにここまで来れた訳だからね。(まぁ飽きっぽさと同時に諦めの悪さも実装しているにはいますけど。それとは違うよね)