トランスフォーマーONE

 さてとここは俺の雑記帳モードを炸裂させまして、
 「トランスフォーマーONE」、早速見て参りました。

 いやぁ良かったですわ。良かったんだけど、これファン以外見向きもされなさそうだな(汗)。
 でも歴代屈指でちゃんとしたシナリオだったというか、純粋にお話として見られる作品になってるんですよ。勿論気になる点もあったけどぶっちゃけ尺の問題だろうなって感じだし。二度見たら慣れたし。

 ただ結末としては、若かりし頃のオプティマス(オライオン・パックス)とメガトロン(D16)の決別までを描くバッドというかビターエンドなので。友情破壊物語としての需要はあるかもしれないけど、まぁおつらい。
 そこは最初から決まっている展開だからこそでもある訳で、それ故にファン向けとも言われかねない。それでもアナキンの闇落ちを見せられるよりかはずっと楽しめるお話でしたけども。

 そんな訳で、一応ネタバレ注意にはなりますので以下ご容赦。
 尚、今作は過去作とは繋がりのないパラレル短編なので、こんなところ読んでないで安心して劇場行って下さいどうぞ(笑)。

 「友人と敵との境界は曖昧なものだ」と。

 自分もそれなりに長く生きてくるとこういう話が心に突き刺さってくるものでしてね。
 最後のシーンはディセプティコン誕生じゃなくて(その手前の)出会いのシーンを持ってきた方が余韻が残ったと言われてたけど、それやられてたらやるせなさ倍増してたとは思う。

 今回のD16(メガトロン)の、信じていた物を根底から覆され怒り狂う気持ちは決して分からないものではなく。
 昨今このご時世に「嘘と欺瞞で塗り固めた特権階級と、抑圧・搾取される労働者階級」なんて話をよくぞ出してくる物だと思いますが、そりゃ自分もただ「下手な事に巻き込まれたくない」から余計な事を言わないようにするだけで、正直に言えば不満と憤怒の一つや二つや三つや以下略、ってなもんですし。

 でもそこで「ただ怒りに身を任せても失う物しかない」のが現実なんですよね。
 それでもその怒りを原動力に新たな物を勝ち取る!と勢い付くのが若さ故なのか、あるいは最早それしか残された道はないと悟っていたのか。

 結末は分かっているのでD16がいつどう闇落ちするのか、それこそに注目して見てしまう訳だけど、正直まだ何処でも引き返せる箇所はあった筈だよね、、。

 「センチネルと同じになるな!」と言われて、ハッとするどころか逆切れしてしまった所は実に残念でしたけど。ここはむしろ「地雷踏んだ」と言われてて、あーうん、こういう台詞で我に返る理性を期待してしまうのは、自分も所詮は理屈畑の性格の人間でしかないということなんでしょうかね。
 そんな説得台詞で綺麗に話が好転するのはフィクションの夢物語だけなんだよと。まぁこれもフィクションですけども。

 でもだからこそD16は「真面目君が反転アンチに転がる話」と言われてしまっておりますね。

 彼が怒りと暴力に傾倒していく様には、正直もう少し説得力を足す尺が欲しかったかなぁと。
 長年積もり積もった鬱憤が弾けたというのは分かるんだけど、それが親友(オライオン)の言葉も届かない程に急変していったのは悲しくもあり。細かい要素から補完していくしかないというか。あるいは力を手にしてそれに溺れる暴君気質だったと言えばそうなのかもだけど。

 例えば一度オライオンの案で皆を説得するけども半信半疑で聞き入れられなくて、それもセンチネルの煽動演説にあっさりひっくり返されて捕まって、「お前の言葉と私の言葉、どちらが信用されると思ってるんだ?」などと煽り散らしてくれたりしたら面白かったのに。
 そういう段階が足りずに結末に行ってしまった感があったので、尺の問題かなっていう話。

 ただまぁこういう話が出来るくらい、今回は素直にシナリオとして面白かったという事なんですよ!(笑) いつものズブズブ展開をお祭りだからしゃあないよねって思う作品じゃあなくて。

 ようやくここまで来れたなって思うので、次回作も是非楽しみにさせて頂きたい。

※しかしビーはただ五月蠅いだけのキャラでしたねぇ。全く何一つ役にも立っていないとは(笑)。(あ、手持ちのエネルゴン渡す役やってました)
 まぁああいうのも入れないと話が暗くなっちゃう一方だったから。
 ビーはアドベンチャー以降の部下なり責任抱えて苦労人やってる奴が割と好き。
※あとセンチネルにもうちょっと何か裏があるのかと期待したかった自分がおります。(ただのクズ、、)